日本IPT研究会
Japanese Academy for IPT(JAIPT)

「何か他に治療法はないですか?」
という
問いかけに応えたい
―副作用が出ない抗がん剤治療 IPT―

IPTとは

Insulin Potentiation Therapyの略で、血糖値を下げるホルモンであるInsulin(インシュリン)を使い薬剤の細胞への透過性を高める方法です。
そのメカニズムを応用し、抗がん剤を少量のみ投与し有効に効かせることができ、抗がん剤でがん細胞を叩いた後に再び分裂増殖し始めても間を置かずにすぐ叩くことができます。さらには、複数の抗がん剤を併用することも可能になるため、多種類のがん細胞が含まれていても、効く確率が上がっていきます。
一回に使用する抗がん剤は少量のため吐き気や脱毛はほとんどなく、血球現象などの副作用も軽減します。その結果、体力は保たれ仕事を続けながらの治療も可能になります。

  • インスリン増強療法+対象低用量(IPT/IPTLD®)は、ドナート・ペレス・ガルシア博士の商標であり、特許取得済みの手続き(米国特許#4,971,951)です。
    IPTを行う医療従事者は、ドナート・ペレス・ガルシアによるIPT/IPTLD®のトレーニングコースを修了し毎年行われる学会に参加し、個々の認定資格を受ける必要があります。

IPTの歴史

1930年
メキシコの軍医ドナト・ペレツ・ガルシア(Donato Perez Garcia)により発見

軍医であるドナトは長年、胃腸障害に悩まされており食事がとれず衰弱していました。その当時インスリンがカナダで発見され(1921年)糖尿病の治療に使われるようになりました。ドナトはインスリンの等を細胞に取り込む作用に注目し、インスリンを使って糖の取り込みを良くすれば栄養を摂れると考え、自らインスリンを打った結果栄養状態を改善。
糖尿病ではない人も体の組織から糖が吸収されるのを助ける働きがあるならば、薬の吸収も助けるのではないかと、ドナトは1930年当時、猛毒であるヒ素剤が使用されていた脳梅毒の患者さんにIPTを実施し治療に成功しました。少量のヒ素でも梅毒の菌(スピロヘータ)に大量に取り込まれるため人体に害を及ぼすことなく梅毒菌を殺せたのです。

1935年
梅毒の治療に対するIPTの成果をアメリカ・ハーバード大学で発表
1939年
アメリカからIPTによる梅毒治療の特許が付与

メキシコ市のクリニックで様々な治療にIPTを実施。発明者のドナトが1971年に死去してからはカナダ人医師のエイヤー(Steven G.Ayre)がメキシコを訪問しIPTを学び、2代目となる息子のドナトと協力して次々に論文を発表しIPTの科学的な基礎を築く。

1946年
乳がん治療に成功
1947年
舌の扁平上皮癌の治療に成功
1982年
孫である3代目にあたるドナト・ガルシア(Donato Perez Garcia Ⅲ)も加わりIPTによるエイズ治療に成功
1993年
日本の厚生労働省にあたるアメリカ国立衛生研究所(NIH)でIPTによる乳がん治療が受け入れられる
2001年
アメリカではじめてIPTトレーニングセミナーが開催され門戸が開かれる

日本IPT研究会(JAIPT)会長奥野 幸彦 東京大学工学部卒業後、大手電機メーカー(三菱)に入社、マイクロ波の研究開発などに従事するが、医師を志し同社退社。大阪大学医学部に学士入学し1977年に卒業。
大学病院、市民病院、救急病院などの勤務を経て地域医療の中核施設として、外科・内科・産婦人科を備える奥野病院を開院。深刻な無医村問題の解決の糸口に高知県での開院を経て、性に関する課題をもつ方のために2000年ジェンダークリニックを開院。2017年には八重洲セムクリニックを開院する。
現在も、世界の医療機関の研修や研究に参加し、新しい医療を常に目指し、世界基準での治療を視野に入れた活動に力を注ぐ。

IPT日本代表
Dr.Donatoより認定されたインストラクター(指導者)として、日本IPT研究会にて現在会員の医師と研究および検討会等活動を行う。

著書 IPT副作用が出ない抗がん剤療法

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